ラストイニング/中原裕 感想。監督視点の新しい野球漫画。

2020年5月25日

中原裕さんの漫画「ラストイニング」を読んでいます。全44巻。2004年から2014年にかけてビッグコミックスピリッツで連載された漫画です。

今日現在30巻まで読了しています。昔から野球漫画が好きでいろいろと読んでおりますが、この漫画はとても新しさを感じます。高校野球の漫画なのですが、主人公がエースでも4番バッターでも無く、監督であるという点がまず珍しいですね。まあ、原 秀則さんの「やったろうじゃん!」も、前半は監督が主人公のようなものでしたので、まったく無いわけではないのですが、この「ラストイニング」の場合は、普通に試合をしたらとても勝てそうもない対戦相手に対し、監督である主人公の分析力と非常識な戦略で勝ち進んでいくというのが、新しいですね~



とりあえず、野球漫画全般の話を少し。
野球漫画と言えば、、、ん~なんだろう? みなさんは真っ先に何を思い出しますか?

私は、まず思い出すのはあだち充さんの「タッチ」でしょうか。古くは「ドカベン」というのもありましたが、私はあまり好きじゃなかったかな。先ほど出てきた原 秀則さんの別の漫画で「青空」というのも、好きな作品でした。満田拓也さんの「MAJOR」も面白いのですが、長すぎて途中で挫折(笑) 小学生から始まってメジャーリーグで活躍するまでって・・・・ 連載当初の計画は何巻完結の予定だったんだろう??
昨年は「ダイヤのA」の第一部を一気読みしまして、面白いことは面白かったのですが、心に残るものがあまりなかったような気がします。
あ、そうそう、現在連載中の野球漫画で一番好きなのは、ひぐちアサさんの「おおきく振りかぶって」ですね~ 主人公がオドオドしたコミュ障のエースって、これもまた斬新な設定ですよね!

あと、意外と面白いのが、女性の野球選手を描いた漫画ですね。知る人ぞ知る漫画なのですが、池田 恵さんの「無敵のビーナス」は面白かった。「私の面白かった野球漫画ベスト3」に入りますね。女子校の野球部が、頑張って甲子園を目指すお話です。全7巻。高橋ツトムさんの「鉄腕ガール」や、田中誠一さん&千葉きよかずさんの「剛球少女」もなかなかです。

さて、本題の「ラストイニング」ですが、あらすじは以下の通り。



舞台は、彩珠学院高等部の野球部。かつて甲子園で優勝したこともある名門野球部だったが、学校の経営難によって、廃部の危機が訪れていた。理事長から廃部までに1年の猶予をもらうも、存続の条件は「甲子園出場」。今年は地区予選を一回戦で敗退した野球部を立て直すため、校長が監督に抜擢したのは、かつての教え子だった鳩ヶ谷圭輔。それまでなんと悪徳商法のセールスマンとして生計を立てていた鳩ヶ谷に、彩学野球部を救うことができるのか?!

というわけで、嫌々ながら監督に就任した鳩ヶ谷の奮闘を描いた漫画がこのラストイニングです。見所はやはり、監督・鳩ヶ谷の采配。次から次へと不思議な戦略を立てて、周りを驚かせます。とある試合では、「ファーボールは要らない。きわどいボール球は全部打て」などという指示を出して、結果的に、それが勝利に結びついたりします。野球の試合において、監督の采配って大事なんだなあと、しみじみ感じる漫画ですね。

キャラも魅力的なのがたくさん居て面白いです。頭脳派のキャッチャー・八潮に、ワガママで気の強いエース・日高。前監督にして現在の部長である情にもろくて、無駄に爽やかな毛呂山も良い味を出しています。あと、個人的にお気に入りなのは、スポーツ用品メーカーの営業の比企夏子。お友達になりたい(笑) ベンチでの鳩ヶ谷とマネージャー・詩織のコントのような会話もこの漫画の魅力のひとつですね(笑)

そんなラストイニング。私のまだ14巻ほど残っているのですが、とても面白いので、かなりのオススメ漫画です。野球に興味のある方は是非♪