X線天文衛星「ひとみ(ASTRO-H)」スペックと主な目的。打ち上げ動画と解説動画も

   2017/10/11

  X線天文衛星「ひとみ」イメージ図  画像提供:JAXA

  X線天文衛星「ひとみ」イメージ図  画像提供:JAXA


 

「ひとみ(ASTRO-H)」の打ち上げ動画

2016年2月17日17時45分、X線天文衛星「ASTRO-H」を載せたロケット・H-IIA30号機が種子島から打ち上げられました。もともとは2月12日の予定でしたが、天候の関係で延期なったらしいです。そして、ロケットからASTRO-Hが分離した後、名称が発表されました。その名は「ひとみ」。「熱い宇宙の中を観るひとみ」という意味だそうです。

まずはその打ち上げ動画を紹介します。

カウントダウンからの打ち上げ、格好いいですね!!

X線天文衛星とは?

今回打ち上げた人工衛星は気象衛星でも惑星探査機でもなく「X線天文衛星」というものなのですが、「なにそれ?美味しいの?」って感じですよね。あまり聞き慣れない言葉です。先日投稿した記事にハッブル望遠鏡の話があり、それは宇宙空間に浮いた巨大な天体望遠鏡でしたが、X線天文衛星はそれと似たようなモノです。観測するのが可視光線じゃなく、X線ということなんですね。

宇宙に存在している様々な天体。そのそれぞれがいろんな光を放っているのですが、例えば太陽のような6000℃ぐらいの温度の天体は、人の目に見える可視光線を放っています。さらに温度の高い天体は紫外線を、もっともっと高い温度(100万℃以上)の天体はX線を放っています。X線天文衛星は、そんな高温の天体を観測するための衛星になります。「熱い宇宙の中を観るひとみ」というのは、そういう意味なんですね。

実を言うと、宇宙で私たちが観測できる物質の80%は、ほとんどX線でしか検出できないらしいです。普通の光学望遠鏡で観測できるのは、この宇宙のほんの一部だということですね。宇宙からのX線は、地球の大気で減衰してしまい、ほとんど地表に到達しません。そのため、X線を観測するための望遠鏡は、宇宙に持っていくしかないのです。

ちなみに、今回の「ひとみ」は日本が打ち上げた6番目のX線天文衛星になります。

1.はくちょう(CORSA-B) 1979年打ち上げ
2.てんま(ASTRO-B) 1983年
3.ぎんが(ASTRO-C) 1987年
4.あすか(ASTRO-D) 1993年
5.すざく(ASTRO-EII) 2005年
6.ひとみ(ASTRO-H) 2016年

こうやって並べてみると気になることがありませんか? ASTRO-E、ASTRO-F、ASTRO-Gはいったいどうなったんだろうって。ということで、調べてみました。

ASTRO-E 2000年に打ち上げ失敗。仕様はASTRO-EIIとほぼ同じ
ASTRO-F 2006年に打ち上げられた赤外線天文衛星。名称は「あかり」
ASTRO-G 2006年から開発を計画していた電波天文衛星。2011年に計画が中止

ん~ いろいろあるんですね。勉強になります。
 

ひとみのスペックと主な目的

ひとみは、日本の天文衛星の中では最大規模の大きさになります。総重量約2.7t、望遠鏡伸展後の全長14m。4台の望遠鏡と6台の検出器を搭載しており、望遠鏡の焦点距離は6mと12mです。2005年に打ち上げた前回のX線天文衛星「すざく」と比べて、10倍以上優れた計測精度をもつ望遠鏡で、10倍以上の高感度を持つ検出器を搭載しているということで、それらを組み合わせることで100倍の感度で天体を観測できるそうです。100倍って、いったいどんな感度なんだか見当もつきませんが、「なんかすごそう」(笑) 細かい技術的なスペックは私が理解できてないので割愛します。

で、大事なのはひとみの目的。JAXAからは、次のように公表されています。

「ひとみ」(ASTRO-H)の科学目的

1.宇宙の成り立ちを調べる
 ・巨大ブラックホールはどのように成長し、周囲にどんな
  影響を与えたのか?
 ・銀河団は、暗黒物質の支配の下で、どのように形成され、
  進化してきたのか?
 ・宇宙では、私たちの体を作るような元素が、いつ、どこ
  で、どれだけ作られ、ばらまかれてきたか?

2.極限状態での物理法則を検証・解明する
 ・白色矮星や中性子星で実現される、超高密度・超強磁場
  の極限状態では、どんな物理現象が起きているのか?
 ・ブラックホールの近くでは、どのくらい時空はゆがんで
  いるのか?
 ・驚異的に高いエネルギーを持つ宇宙線はどこでどのよう
  に作られているのか?

  JAXA公式サイトより引用

すごいスケールの話ですね。どんな成果が出るのか、楽しみです。
 

JAXAの解説動画

いろいろ調べているうちに、X線天文衛星・ひとみの解説動画を見つけたので、掲載しておきます。
これであなたもひとみ博士!


 

それでは今回はこの辺で。
またいつか、この宇宙のどこかで逢いましょう。(←おまえはどこに行くんだ?)

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