太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」打ち上げ。太陽に接近しコロナの謎を解く

2020年5月25日

太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」のイメージ図
  太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」のイメージ図

先日、NASAが新しい探査機を打ち上げたようですね~。その名は「パーカー・ソーラー・プローブ」。ソーラーという言葉が含まれていることでわかるとおり、この探査機は太陽の探査機だそうです。

これまでの太陽探査機

火星や金星などの惑星の探査機はたくさんありますが、太陽探査機って珍しいなと思って調べてみたら、結構あるんですね。列挙すると以下の通りです。

・パイオニア5号(NASA/DOD) 1960年3月-4月 
・パイオニア6号(NASA) 1965年12月-2000年
・パイオニア7号(NASA) 1966年8月 – 1995年
・パイオニア8号(NASA) 1967年12月 -2001年
・パイオニア9号(NASA) 1968年11月 – 1983年5月
・ヘリオス1号(NASA/BWF) 1974年11月 – 1982年
・ヘリオス2号(NASA/BWF) 1976年1月 – 1985年
・ISEE-3(NASA) 1978年 – 1982年
・ユリシーズ(ESA/NASA) 1990年10月-2009年
・WIND(NASA) 1994年11月 – 2015年
・SOHO(ESA/NASA) 1996年5月 -稼働中
・ACE(NASA)  1997年8月 – 2015年
・ジェネシス(NASA) 2001年-2004年
・STEREO A及びB(NASA) 2006年12月 – 稼動中
・DSCOVR(NASA) 2015年6月- 稼働中

※wikipwdiaより



太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」とは

さて、では今回打ち上げたNASAの太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」というのはどんなものなのでしょうか? 名前が長いので以降は「パーカー君」と表記しますね(笑)

パーカー君は地球を飛び立ったあと、しばらく地球の近傍でアンテナの展開を行ったり試験運用を行ったあと、まずは金星に向かいます。

そして金星の重力と公転のエネルギーを利用した減速スイングバイを7回に渡って行いながら軌道修正をしていくようです。

そして徐々に太陽の近くを通る軌道に乗せていくのですが、今回のミッションは太陽に「ものすごく接近する」のが特徴になります。成功すれば、パーカー君は「人類が作った物体の中で最も太陽に近づいた物体」になります。

比較になりそうなデータを先に書いておきますね。

・地球と太陽の距離 → 約1.5億km
・金星と太陽の距離 → 約1億km
・水星と太陽の距離 → 約5800万km
・探査機ヘリオス2号の近日点 → 約4300万km

このヘリオス2号という探査機が、現段階では人類の作った物体で最も太陽に近づいた物体だったのですが、今度のパーカー君は・・・

・パーカー・ソーラー・プローブの近日点 → 約600万km

なんと! ヘリオス2号の1/7の距離まで太陽に近づくのです! 地球と太陽の距離は1au(天文単位)ですが、この距離は0.04au。実に太陽半径の8.8倍の位置まで近づく予定です。どんだけ太陽に近いんだ?! 熱とか大丈夫なのか?!

でも、これぐらい近づかないと不可能な観測をパーカー君はやろうとしています。今回のミッションの一番の目的は、



「太陽コロナの観測」

なのです。

太陽コロナとは?

コロナというのは、ストーブでもクルマでもありません(笑)
太陽コロナというのは、簡単に言うと、太陽の大気の最外層のことで、電気的に解離したガス層になっているのが特徴です。

  皆既日食で見られたコロナ
  皆既日食で見られたコロナ

太陽の表面温度は6000℃ぐらいなのですが、なんとコロナは100万度という恐ろしく高温になっていることがわかっています。でも、そのメカニズムは謎に包まれています。

今回の太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」はその謎を解明するために決死の覚悟でコロナの中に突入するのです。

ガンバレ! パーカー君!

何度も太陽と金星の間を行ったり来たりしながら軌道修正を行い、この再接近を行うのは2024年ということなので、まだまだ先の話ですね。

でも、このブログでは、はやぶさ2と同様、このパーカー・ソーラー・プローブの情報も追いかけて行こうと思います。

頑張って太陽の謎を解明して欲しいですね!