地球外生命の可能性!40光年先の恒星・TRAPPIST-1に地球型の惑星7つを発見

2020年6月5日

  惑星TRAPPIST-1dの想像図 Wikipediaより引用
  惑星TRAPPIST-1dの想像図 Wikipediaより引用

宇宙人が存在しているか、いや、地球以外に生命が存在しているかどうかというのは、宇宙に関する人類の最大の興味ではないでしょうか?

古くは月にも生物がいると考えられ、いないと分かっても、次は火星人や金星人などを想像していました。現在では、科学が進んでしまったために、ある意味夢が壊れてしまった部分もあるのですが、その科学は、また別の夢を与えてくれるようです。

2017年2月23日。NASAが緊急発表を行いました。地球から40光年の距離に地球サイズの惑星を7つも発見した、と。しかも、そのうち3つは地球と環境が近い「ハビタブルゾーン」に位置する惑星で、生命が存在する可能性があるということでした。



地球型の惑星といえば、プロキシマ・ケンタウリの惑星プロキシマ・ケンタウリbが2016年8月24日に発見されたばかりですが、今度はいきなり7つということで、その事実の大きさがピンと来ない感じでした。

今回発見されたのは、地球から約39.1光年離れた位置にある恒星TRAPPIST-1の周りを回っている惑星で、内側から、

(1)TRAPPIST-1b
(2)TRAPPIST-1c
(3)TRAPPIST-1d
(4)TRAPPIST-1e
(5)TRAPPIST-1f
(6)TRAPPIST-1g
(7)TRAPPIST-1h

と名付けられています。(aはどうした?)

冒頭に載せたのはWikipediaに載っていたTRAPPIST-1dの地表の想像図です。

この恒星系は、非常に狭いところに惑星が密集しており、主星から一番離れたTRAPPIST-1hでも0.063天文単位の距離しかありません。要するに、太陽と地球の距離の6.3%の範囲に、全惑星が密集していることになります。

 TRAPPIST-1毛と太陽系の比較 主星の近くに全惑星が密集している
 TRAPPIST-1系と太陽系の比較 主星の近くに全惑星が密集している

地球から相当離れている金星や火星でさえ、あれだけ大きく見えるのですから、この星系では1つの惑星から他の惑星が相当大きく見えるでしょうね。

ということで、冒頭のイメージ図では、太陽だけでなく他の惑星が浮かんでいます。とても幻想的な風景ですよね。ぜひ行ってみたいです。

通常、主星(その惑星系での太陽)から距離がこれほど近いと、ものすごい高温になるので、水も存在できないし、もちろん生物なんて住めない世界になるのですが、この主星・TRAPPIST-1は極めて小さな赤色矮星であり、赤色矮星の中でも特に温度が低い超低温矮星なんだそうです。表面温度は2,559Kということで、地球の太陽の5,778 Kと比べて半分以下ですね。



そのため、惑星がこれぐらいの距離でちょうど良く、7つの惑星すべてに液体の水が存在する可能性があるということです。そのうち、TRAPPIST-1e、f、gの3つに関しては表面に液体の水が存在できる環境ということで、生命が存在する可能性が他の4つより高いそうです。

  TRAPPIST-1fの想像図 Wikipediaより引用
  TRAPPIST-1fの想像図 Wikipediaより引用

 
さて、いろいろ楽しみになってきましたが、問題がひとつあります。

どうやって生命がいるかを確認するか

ですね。

なんといっても40光年の距離の向こうです。仮に光の速度で進んでも片道40年かかります。いずれ探査機を飛ばすことになるのかもしれませんが、昨年ホーキング博士が提案した「ブレイクスルー・スターショット計画」の探査機でも、光速の20%しかスピードが出せません。TRAPPIST-1系に到着するのは、200年後ですね・・・・

とりあえず、NASAは2018年打ち上げ予定のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で詳しく調べるとのことですが、生命の存在までは分からないでしょうね~

望遠鏡で見たとき、向こうで手を振ってくれれば良いんですけどね(笑)